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◎地元北陸における事例報告 川上賢正(福井・弁護士)

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地元北陸における事例報告
弁護士 川上賢正(福井)

1 金沢大会がおわって、ほっとしております。先日、神戸での幹事会およびその後の懇親会でも、みなさんに、熱気を吹き込まれ、福井に帰って来ました。せっかく立ち上げたのですから、北陸ネットも息の長い、充実したものにしたいとおもっております。
この金沢大会設立準備会のメンバーの中で、現在訴訟を抱えている弁護士がいなかったこともあり、私が報告するはめに陥りました。
地元会の報告といっても、勝訴判決でもなく、実際自慢できるものではなく、とにかく、こまっているという情けないものであります。
いま私は、建築瑕疵事件を2件担当しております。たまたま消費者側にたっているものですが、代理人等が代わったこともあって、5年以上経過している長 期未済事件で、ひとりでは対応しえないこともあって、期日をむかえるたびに、不安で、頭を抱えています。そんな私の苦労している事件を紹介します。

2 対象物件は、
鉄筋コンクリート陸屋根2階建て  1階 461.58㎡  2階 472.49㎡
コンクリート打ちっぱなしの建物です(外観はりっぱです)。その建物は平成8年に完成しました。訴訟の相手方は、原告である前田建設という一流のゼネコンです。
訴訟提起されたのが平成9年7月16日です。そして 現在も福井地裁継続中の長期未済事件であります。私は平成16年6月から受任しました。被告代理人は私で3人目になります。前任の弁護士2人とも死亡して おり、裁判所からとにかくはやく訴訟を続行してくれとのことではじまり、私はなんにもわからないところから出発しました。
現在は、鑑定書がでて、平成17年1月に鑑定人尋問が終了したところであり、最終局面にきております。
この裁判での最大の争点は、鑑定上の問題として「当該建物の建築構造を計算する場合に、ルート1が適用できるか」というきわめて技術的な問題です。
私も当初途方にくれました。鑑定人は、私ども被告側に有利な鑑定書を出したのですが、なにせ原告の前田建設は、一流のゼネコン、一級建築士を何人も連 れてきて、相手方代理人にいろいろな智恵をつけているなか、私はまったくの素人の状態でした。それで、私もいろんな専門家に話をききましたが、「これだ」 といった回答がなく、自問自答するしかない状況が続きました。そして、何度も鑑定書をよみ、相手方の質問事項を読み込んでいくうちに、「なんとか相手と尋 問で、やり合えるなー」と、いうところまで、きました。
そして鑑定人尋問もこちら側に有利に進み、成功した(私は主観的にはそう思っている)ようで、今のところ、裁判官は私どもに同情的ですが(判決は油断できない)これから、せっせと準備書面の作成をしなければと考えています。

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