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②パネルディスカッション    [7]建築確認・検査の民間開放は申請者にプラスか? 加藤哲夫(東京・千代田区まちづくり推進部)

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阪神・淡路大震災10年目の検証
② パネルディスカッション
[7]建築確認・検査の民間開放は申請者にプラスか?
千代田区まちづくり推進部建築指導課調査主査 加藤哲夫(東京)

1998年6月に半世紀ぶりに建築基準法が大改正されました。この改正の中身の特長は大きく3つあります。

(1) 建築確認や中間検査業務の民間開放
これは、建築確認件数が年々増加し特定行政庁の建築確認業務に携わる職員を増員することが物理的に困難になり、この業務を民間に開放し、その余力を違反建 築の対応や、耐震改修業務、特殊建築物の定期報告等、既存建築物の維持管理等にシフトさせることが目的であった。
現在全国で指定検査機関は96機関(平成16年4月現在、表-1参照)あり確認業務や検査業務を行っている。平成11年度から平成16年度までの6年 間のデータを見てみると、特定行政庁の確認が全国で839,810件であったものが平成15年度には409,099件となり半減している(表-2参照)。 これから分かるように建築確認業務は確実に民間の指定検査機関に移行していることがわかる。
これは、指定確認検査機関による建築確認審査が、所定の期間内で確認がおり建築工事のスケジュールを立てやすいこと等、特定行政庁の建築確認と異なり大きなメリットのあることが要因である。
また、特定行政庁と比較して、確認審査や中間検査も一般的に民間の方が柔軟な解釈で対応している。これは申請者にとってメリットといえるが、建物の安全にとって必ずしもプラスとは言い切れない。
これまでも中間検査に関して民間の指定検査機関が国交省から営業停止処分を受けるなど不祥事などが発生している事実がある。
民間の指定検査機関に申請した物件で、構造設計者が訂正しようとしたら、すでに確認がおりてしまっていたという、笑えない事件(?)が起きている。

(2) 性能の規定化について
建築構造の性能規定に基づく設計の確認は、これまでに全国で二十数件しかされておらず一般的ではない。今後も仕様規定に基づく設計が一般的でこの傾向は変わらないと考えられる。

(3) 中間検査制度の導入について
これまで、建築基準法では、完了検査しか規定がなかったが、1998年の改正で建築工事途中の検査が明確に位置付けられた。しかし、この制度を取り入れるかどうかは、行政庁の判断に任されており、すべての特定行政庁で取り入れられているわけではない。
国土交通省は、これまで中間検査は時限立法であり、数年で解消するものと考えていた。しかし東京都をはじめ、むしろ中間検査の対象物枠を拡大するなど 強化している特定行政庁も多い。しかし、問題は国民の望む木造等の専用住宅が中間検査の対象となっていないことである。横浜市や堺市のように、この制度を 積極的に活用し発注者の立場にたった行政を進めているところもある。
一方、人的な要件を満たさないために行なえない行政庁もあることも事実である。近年の規制緩和と行政のスリム化が推し進められ、国民の生命と安全の基本である住宅の安全が軽視されていると言わざるを得ない。

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