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◆第18回金沢大会特集  ◎パネルディスカッション~阪神・淡路大震災10年目の検証   ①阪神・淡路大震災から10年─建築相談をとおして欠陥住宅を考える 萩尾利雄(神戸・建築士)

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阪神・淡路大震災10年目の検証
① 阪神・淡路大震災から10年──
建築相談をとおして欠陥住宅を考える
一級建築士 萩尾利雄(神戸)

私が建築相談を始めるきっかけとなったのは、1980年の事件でした。弁護士とのコラボレーションの始まりでもありました。道路工事の為に建物が振動 しクラックが発生し、損害賠償を請求するという事件でした。それ以来、毎年数件の相談を受けてきました。相談は多岐にわたり、その一部に欠陥住宅問題があ ります。
大震災以降、相談件数は増大しました。欠陥住宅被害全国連絡協議会の活躍があり、社会問題として市民が認識し、泣き寝入りをしないムードが生まれてきた結果でしょう。
欠陥住宅が生まれる原因は大きく二つに分類されます。故意によるものと無意識の内に造られるものです。故意によるものの典型は、訪問リフォームに見ら れます。効果の少ない工事をして法外な工事費を請求する事件です。故意による事件の解決は、施工者の自覚を喚起する方法と、刑事事件としての解決方法を確 立していくことだろうと思います。
無意識のうちに造られる欠陥住宅に関しては、我々が関与できる分野です。相談を進める過程で施工者が耳を傾け、問題の解決に努力しようという姿勢が見られる事件は多くあります。
施工者の技術不足、情報不足、経験不足が原因で発生する欠陥。経済優先が原因で発生する欠陥。この二つが大半の欠陥の起因となっています。法律の整備 により第三者による中間検査が定着して来たことで構造的欠陥はずいぶんと減ってきたと思われます。震災直後、建物が揺れるという相談が多くありましたが、 最近では少なく、今相談を受けている建物も当初は建物が揺れているとの相談でしたが、調査の結果床板が振動しているだけでした。この建物は、中間検査・完 成検査共に合格しており構造的には法規に適合していました。ところが床の構成(根太と床板)が問題でした。床板の幕振動が発生していたのです。これは施工 者の経験不足と技術不足が原因と考えられます。
第三者監理の必要性はまだまだ建築主の理解を得ているとは言えませんが、あらゆる機会に必要性を説明し理解を得ていくべきです。一方で真面目に監理を していたにも関わらず、施工者が倒産したら監理者へ矛先が向けられているのも事実です。監理業務の明確化、責任の範囲の明確化が急がれます。
大震災後、神戸市の建築行政が変貌しました。市民の声をよく聞き政策に取り入れてきました。欠陥住宅問題にも正面から取り組んできました。それぞれの 立場、出来ることを整理し協力していかなければこの問題は解決しないと思います。大震災以後に急造された建物の不具合がどんどん表面化しています。
ネットワークをしっかり組み上げて取り組んで行くことが望まれます。

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