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◎モンセーヌ南茨木B棟 PCアンボンド工法未施工事件 Part 2 木津田秀雄(兵庫・建築士)

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モンセーヌ南茨木B棟
PCアンボンド未施工事件 Part 2
一級建築士 木津田秀雄(兵庫・関西ネット・神戸NET)

前回の高知大会でも発表した阪急不動産らが販売、大林組が施工した高級分譲マンション「モンセーヌ南茨木B棟」(13階建て166戸)のPCアンボンド 未施工事件について、その後の経緯を大会当日に吉岡事務局長に無理をお願いして簡単に報告をさせていただきました。

本件建物は、天井の小梁をなくすために、床コンクリートの中に鉄筋だけではなくPC鋼線(吊り橋のワイヤーのようなもの)を入れて支持する工法で確認済 証を取得したにも係らず、何ら行政に報告もなされないまま、この工法が中止された。同時に施工されたA棟(別のゼネコンが施工)ではファブデッキ工法に加 えて配筋割り増しが行われたにも係らず、B棟においてはなんら代替え処置を行わずに施工したことにより、各住戸の床が5㎝あまり下がったのである。

これに対して、具体的な計測を行わないまま、築後5年を経過していることからたわみはほぼ納まっているという独断のもと、全住戸の内装を撤去した上で、 ひび割れについてのエポキシ樹脂注入と床のひび割れの増大を予防するため炭素繊維板(トレカラミネート板)を床上面から部分的に貼るという補修方法を提案 して、一定の迷惑料と仮住まい費用を支払うか、売値の65%での買い取りという条件で164戸と同意した(これら補修関連費用の総計は50億円との事であ る)。しかしながら、この条件に同意しなかった2戸については、分譲者、施工者、設計監理者ら7社を相手に訴訟となっている(この訴訟の鑑定書作成を著者 が行い、代理人は関西ネット会員である重村、平泉両弁護士)。

この2戸についてはその後、管理組合から「建物明渡断行仮処分命令申立」を提起されたが、そのような処分が認められるはずも無く、裁判所からの助言もあり、迷惑料+αと仮住まい費用を支払い、コンクリート補修前の状態を検分する事を条件に和解した。

この2戸が内装撤去後の状況を検分した所、床のたわみ以外に著しいコンクリートの打設不良や異物の混入、かぶり厚さ不足などが確認されたことで、一旦同 意を行っていた住民の中からも、不安の声があがり始めた。しかしながら、分譲者らは工期が遅れる事を理由にコンクリート補修前の状態を住民に公開する事を 拒否していたが、十数戸の住民から補修前の検分を求める仮処分を提起した事により、分譲者らは期日の指定を行い、検分を認めた。

そして7住戸について、コンクリート補修前の検分が行われたが、その施工状態は著しくひどい状態で、どの住戸からもコンクリートの充填不良、打設不良、 異物混入、かぶり厚さ不足などが多数発見された。もっとも衝撃的だったのは、鉄骨の梁部分にコンクリートが充填されないまま、表面のみモルタル補修されて いた住戸があったことである。新築時にこのモルタル補修を行った職人は裏に空洞が生じていることを知りながら施工していることは明らかであり、それを大林 組も監理者も見逃していたのである。

このような施工状況が明らかになった他、スラブの上端筋のかぶり厚さが過大で、有効スラブ厚さが150程度になっている住戸も十数戸発見された。これ らの住戸については、炭素繊維板(トレカラミネート)を床上面に張り付け端部を金物で固定して定着を計るという補修を行うとしている。たわみ防止の工事を 行う必要はないとの補修工事前の説明は反古にされている。このような補修方法が技術的に有効であるかどうかを議論する前に、新築のマンションを購入して、 著しい施工不良があった場合に、このような補修を行う事で契約解除ができないという考え方は誤りである。

このような経緯から、一昨年に一旦補修で同意した住民のうち18戸が2月上旬に契約解除を求めて阪急不動産を相手に訴訟を提起する事になった。

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