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◎勝訴判決・和解の報告    [1]木造三階建て売買契約の解除が認められた事例(京都地裁平成16年10月4日判決) 加藤進一郎(京都・弁護士)

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勝訴判決・和解の報告
[1]木造三階建て売買契約の解除が認められた事例
(京都地裁平成16年10月4日判決)
弁護士 加藤進一郎(京都)

Ⅰ 事件の表示(通称事件名:金閣寺三事件)
判決日 京都地方裁判所 平成16年10月4日判決
事件番号 平成14年(ワ)第423号 損害賠償請求事件
裁判官 田中義則
代理人 遠藤達也、木内哲郎、加藤進一郎
Ⅱ 事案の概要
建物概要 所在 京都市北区衣笠
構造 木造(軸組工法)3階建 規模 敷地56.24㎡、延面積109.35㎡
備考 建築確認とは全く異なる建物
入手経緯 契約 平成8年1月18日 売買契約 引渡 平成8年6月
代金 5246万0190円
備考 当初の売買代金は5200万円。46万0190円は追加工事分。
相談(不具合現象) 揺れ(家族が階段を上り下りすると2階居間等が激しく揺れる)
Ⅲ 主張と判決の結果(○:認定、×:否定、△:判断せず)
争点
(相手方の反論も)
(相手方の反論)
① 建売住宅か注文住宅か(契約解除の可否) ○
② 欠陥(特に壁量不足)が原告の指示によるものか否か ○
③ 補修の可否(契約目的達成不可か否か) ○
④ 除斥期間の経過 ○
欠陥 ○壁量不足
○層間変形角の基準値超過
○偏心率の基準値超過
○筋交いの緊結不良
○床面の水平剛性の欠如
○柱と基礎の緊結の欠如
○基礎工事の欠陥
○建築確認を受けていない
×構造計算されていない
×地盤の安全性確認なし
×完了検査の申請なし
○建ぺい率・容積率違反)
損害 合計 5980万円/6190万円 (認容額/請求額)
代金 5246万円/5246万円
補修費用
転居費用
仮住賃料
慰謝料 100万円/ 200万円
調査鑑定費 50万円/ 100万円
弁護士費用 500万円/ 560万円
その他 84万円/  84万円(登記関係費用・公租公課等)
責任主体と法律構成 売主 瑕疵担保責任にかかる契約解除による代金返還請求及び損害賠償請求 ○
不法行為に基づく損害賠償請求 △
施工業者
建築士
その他

Ⅳ コメント
1 判決分析(意義・射程・問題点等)

① 最も大きな争点は補修可能性であったが、うわものの補修に関しては、耐力壁の増加につき「不格好であり、ガレージの使い勝手も悪くなり、新築の建物で あればこのような壁を設けるとは考え難い補強方法となっている」として、間取りの変更・空間利用の阻害を意識した判断をしている。
基礎の補修に関しては、耐力壁の増加によるうわもの重量の増加分が未検討・ベタ基礎にするためのホールインアンカーによる基礎の一体化の可否が未検 討・ベタ基礎にした場合の基礎の自重による沈下の有無が未検討・地盤改良や杭打ちについての必要性が未検討、といったことを理由に被告提案の補修案を否定 した。
② 除斥期間の開始時点は建築士による簡易調査報告を受けた時点と判断
③ 責任論につき、「売主が瑕疵について悪意又は過失がある場合は、債務不履行責任及び不法行為責任との均衡上、相当因果関係の範囲内の損害について、売 主は損害賠償義務があると解するのが相当」と判断し、主意的請求(瑕疵担保)のみで全損害の賠償を認める(不法行為の判断せず)。
④ 仮執行宣言をつけていない。

2 主張・立証上の工夫
補修が不可能である点(特に基礎)について、相手方補修案に対し、逐一、藤津建築士の反論意見書を提出したことが、判決でもそのまま認められている。

3 所 感
裁判官は藤津建築士の尋問の際には基礎が補修可能であるという視点での補充尋問を行っていたが、その後の裁判所鑑定を経て見解を改めたように思える。
また、瑕疵担保での損害論を限定する発言も行っていたが、他の裁判例を列挙したことにより、弁護士費用や調査費用等も認定した。  当たり前に思えることを手抜きせず繰り返したことが、じわじわとジャブのようにきいた感じか。
しかし、仮執行宣言をつけなかったのにはまいっている。
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