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「ふぉあ・すまいる」創刊にあたって 代表幹事 上野勝代(京都・京都府立大学教授)

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1996年12月14日、 神戸市で欠陥住宅被害全国連絡協議会が旗揚げしました。 その後、 全国各地で欠陥住宅被害の予防と救済に向けた大会を開催するなど、 様々な活動を行ってきました。 この間、 建築基準方の大改正や住宅品質確保促進法の制定など、 建築をめぐる諸問題に消費者保護の視点からそれなりの取り組みや成果を獲得することができたように思います。 これらはひとえに会員相互の精力的な活動の賜物といえましょう。

しかし、 一方で、 協議会の議論や取り組みは、 ともすれば建築士や学者、 弁護士ら専門家中心になる傾向も否めません。 被害者や消費者の声が十分に協議会に反映され消費者の視点も忘れずに消費者に信頼される運営を心がけていかなければなりませんし、 組織の問題もまだまだ不十分なものがあります。 関西ネットの創設を契機にして京都、 和歌山、 神戸、 北海道・東北などでネットワークが作られてはおりますが、 まだまだ全国を網羅する体制にはなっておりません。 一日も早く、 全国各地に欠陥住宅問題を適切に取り組める専門家のネットワークを作ることが望まれています。 更に、 当協議会の活動内容として、 今後は欠陥住宅問題だけではなく住宅の質を良くするための活動も必要かと思います。 例えば、 高齢者に安全な住宅を提供するとか、 子供らをふくむ家族の健康に資する住宅 (シックハウスやアレルギー問題等) など、 地球環境に優しい住宅を消費者が確保するための取り組みも不可欠です。 そうした取り組みなくして当協議会に対する国民の信頼と評価は勝ちえないと思います。

ところで、 私たちがこうした多くの課題を迅速に取り組み成果を挙げるには、 会員相互の情報交換が不可欠です。 全国各地で会員が目覚ましい取り組みをしている状況を全国各地の会員に迅速にお伝えすること、 また非会員の方にも当協議会の活動を知ってもらうこと、 このことが欠陥住宅被害に悩む方々にどれほど勇気と力を与えることになるか、 そしてまた志を同じくする全国の建築士や学者、 弁護士、 消費者にどれほど有益な被害予防と救済の武器を与えることになることか、 計りしれないものがあると思います。 こうした観点から、 今回 『ふぉあ・すまいる』 が発刊できるようになったことは誠に喜ばしい限りです。 今後、 同誌は関西ネットの用貝さんをはじめ同ネットの多大な労力をおかけすることになりますが、 全会員が同誌の編集作業に一致協力し充実した内容のニュース等を定期的に発信していけるよう協力しあいたいと思います。 『ふぉあ・すまいる』 の発刊が日本の住宅問題解決に一定の役割を担うことを期待し、 発刊の辞に替えさえて頂きます。


(欠陥住宅全国ネット機関紙「ふぉあ・すまいる」第1号〔1999年5月20日発行〕より)

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