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「消費者のための欠陥住宅判例〔第2集〕」の発刊について 鳥川真悟(大阪・弁護士)

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鳥川真悟(大阪・弁護士)

皆様お待たせいたしました。 消費者のための欠陥住宅判例 [第2集] が発刊されました。 [第1集] が発刊されたのは平成 12年5月でした。 [第1集] は、 発刊当初より多大な反響を呼び、 欠陥住宅問題に関する関心の高さが実証されました。 しかし、 それは同時に欠陥住宅被害が多発していることの現れでもありました。 欠陥住宅による被害を撲滅するためには、 そのために全国的に行われている救済活動の実績を幅広く共有することが何より重要な意味を持ちます。 [第1集] はその役割を十分に果たしてきたものですが、 この分野においては、 裁判を通じた被害救済はなお発展途上にあります。 そのため、発刊当初より [第1集] と銘打たれ、 続刊が予定されておりました。 そして、 待望の [第2集] が発刊されたわけです。 今回は関西ネットと京都ネットのメンバーが中心になって執筆・編集作業を担いました。
[第1集] 発刊から約2年が経過しましたが、 その間、 価値のある判決が次々と勝ち取られています。 [第2集] に掲載された判決は 20件を超えますが、 その中の大半のケースで、 被害者が請求した金額の全額あるいは大部分が認容されています。 瑕疵担保責任による売買契約解除を認めたもの、 高裁段階で名義貸建築士の責任を認めたもの、 原告代理人がこれまでの活動の集大成と評価するものなど価値のある判決が目白押しです。 ただ、 手放しで喜べない認定がされているケースも含まれています。 さまざまな意味において、 「被害救済のさらなる前進を目指して」 とのサブタイトルにふさわしい内容になっています。
体裁は第1集とほぼ同じですが、 大きな改良点として、 判例の紹介の冒頭に裁判官名と代理人名を標記したこと、 巻末に掲載判例一覧表を付して、 各事件の欠陥内容、 請求の相手方と法律構成、 各損害項目項目ごとの請求額・認容額等が一目でわかるようになったこと、 が挙げられます。 なお前回好評の判例データーベースも第1集以降の判例を盛り込み一層の充実を見ています。
是非、 本書を手にして、 欠陥住宅による被害救済のさらなる前進のためお役立ていただきたいと思います。
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