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〔シリーズ わたしと住宅〕欠陥住宅がやってきた?! 神﨑 哲(京都・弁護士)

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弁護士 神﨑 哲(欠陥住宅京都ネット事務局次長)
よもや自分が欠陥住宅を買うとは夢にも思わなかった。
欠陥住宅ネットの活動を始めて3年、 この間、 建築に関して少しは学んできたはずだが、 それは「つもり」にすぎなかった…。
今年1月に購入した築19年の「マイホーム」は、 どれだけ夜目・遠目に見ようとも、 たとえモザイクをかけたとしても、 およそ「綺麗」などという日本語から最も遠い世界にある、 立派なボロ家である。
もともと私が生まれ育ったのも、 京都市南区の古いボロ・アパートだった。 付近は工場地帯で、 町を流れる小さな川にはカラフルな水が流れ、 道路を隔てた養豚場からは野生の香りが漂っていた(因みに、 この養豚場は火事で焼けたが、 焼け跡にはチャーシューの匂いがした)。 この生育環境のせいか、 私はボロ家と妙に縁がある。 4年前に住んでいた家賃7千円の官舎は更にツワモノで、 洗面所の下は原生林を彷彿とさせる荒れ具合だった。
…話が逸れてしまった。 ボロ家だけなら覚悟の上である。 どうも不同沈下を生じているらしく、 傾いている。
もちろん、 私も心配だったので、 購入前に、 京都ネットの建築士お二人に家を見て頂いた。 藤津易生先生曰く、 「…安普請やねぇ」。 山本正道先生に至っては、 何故か売主が残していた家具を重点的に調査して下さり、 「これ、 使うの?いらんのやったら、 もらうわ」 と、 ベッド・机・本棚・応接セット等々、 トラック1台分もお持ち帰り頂いた…。 京都ネットの建築士さんは、 かくもお優しい方々ばかりである。
それはともかく、 確かに、 お二人とも沈下の可能性を指摘されていたが、 経年により落ち着いているだろうとのことだった。 が、 やはり、 建付悪さは住んでみて初めて実感するものらしい。 風呂場の扉は、 蹴りを入れないと開いてくれないし、 網戸は1㎝以上隙間があるため用を為していない。 もっとも、 悪いことばかりでもない。 すきま風の吹く我が家では、 暖房時の一酸化炭素中毒などという心配は無用であろう。
それにしても、 仲介業者の勧誘は見事である。 スーパーのタイムサービスさながらに、 こちらに考える余裕を一切与えない。 ネットに寄せられる相談で結構困るのが、 「購入予定の家を調査してほしい。 契約が明日なので、 今日中に」 なんてパターン。 「どうして、 そんなことになるんだ」 と思っていたが、 ホントに、 こんなふうにバタバタ契約させられてしまうのも実感できた。
多くの建築士さんが 「家は買うものではない、 建てるものだ」 とおっしゃることもご尤もだが、 他方で、 安心して購入できる中古住宅市場が存在しないとは、 何とも情けない住宅事情ではないか。

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