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パネルディスカッション「裁判所における欠陥住宅鑑定のあり方」 (2) 私的鑑定で頑張ろう 蓑原信樹(福岡・建築士)

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蓑原信樹(福岡・建築士)

裁判鑑定において、 よく次のような鑑定が求められられることが散見される。
例えば、 「当該建物において、 欠陥があれば指摘せよ。 その補修にかかる費用はいくらか。」 と。
鑑定事項そのものの絞込みが依頼の時点では難しく、 事前調査なしでは項目設定が漠然とし、 包括的になって範囲が拡大している。
又、 欠陥現象の多くは指摘できるが、 発生原因についてまでの言及はできないままで、 欠陥の法的判断基準を示せない状態となっている。
逆に、 鑑定依頼という性格上、 鑑定事項から外れた内容については、 多くは言及することができない。
又一方では、 裁判鑑定は全てを網羅しなければならないため、 均等に多くを拾おうとすると鑑定費用も増大することとなるし、 事前の鑑定費用の業務見積を行う時はどうしても予防的 (予備的) 調査も考慮せざるを得ず、 費用対効果の少ないものとなってしまう。

元々、 問題となる住宅には大きく二つの問題を持っている。
一つは 「契約論、 手続」 であり、 もう一つは 「純粋技術論」 である。
私は 「多くの欠陥建築問題は、 純粋技術論であり建築論である」 と思うし、 体系的なものであって、 よく見かける 「経験 (体験) 的な判断あったり、 断片的な基準を適用したり、 恣意的判断を下したり、 又、 独善的判断をする」 ようなものではないと考えている。
私的鑑定であれば、 発生原因の追求に絞り込んだ調査ができ、 費用を抑えながら段階的な調査が可能となり、 少なからず、 建築技術の  中でも専門的分野に分担が可能で、 的確な判断基準を示すことができる。
私的鑑定における的確な技術論点の指摘なくしては、 安易に裁判鑑定によって判断を求めてはならないし、 大きな落とし穴に落ちることになることを肝に銘じていなければならない。

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