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リフォーム問題に関するアピール

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第1 意見の趣旨
  1 悪質リフォームについては、警察及び主務官庁において行政処分など徹底的に取り締まりや予防策を講ずるべきである。
  2 構造耐力上主要な部分または主要構造部に影響を及ぼすリフォーム工事について、建築専門家による設計及び監理、並びに、行政検査(確認または届出等)を徹底し、リフォーム工事被害の予防のための施策を講ずべきである。
  3 リフォーム工事の契約の際には、建築部材及び設置する設備の代金と工事を行う職人の費用、一般管理費、現場管理費を区別して記載した内訳明細書の交付を義務づけるべきである。
  4 「特定住宅瑕疵担保責任の履行確保に関する法律」の適用範囲を拡充し、リフォーム工事を行う施工業者の保険加入等を強制すべきである。
第2 意見の理由
  1   大会会場では、欠陥リフォームの被害救済に取り組む弁護士、建築士、行政担当者などがそれぞれの体験を発表すると共に、リフォーム工事の問題点について以下のような議論がなされた。
     リフォーム工事の対象になる物件は、昭和40年代、50年代の建物が多い。この当時は検査済証を取得する建物の方が少なく、住宅の多くでは「取得しなくて良い」という風潮があった。そのような風潮であったことから、間取りが確認済証と同じであっても筋かいなどが適切に施工されているとは限らず、工事が始まって壁を開けてみないと分からないというのが現実である。また、途中で増築しているなど対象物件の状況を的確に把握することが困難な現実がある。
     構造的にも、木造住宅の場合、構造計算も不要であることから、極端に細い梁が使用されていることなどもあり、天井や壁をめくるなど解体工事が始まって初めてわかることも多い。工事と同時進行で設計を修正してゆく必要があるなど、新築工事よりも、速く的確な判断が必要になることなど、リフォーム工事にこそ建築士の関与が必要である。 筋交いの断面寸法の不足が発見されたり、水廻りの土台や柱の腐食などが見つかるケースや断熱改修でシングルガラスをペアガラスに取換える際に、準防火地域で網入りガラスが必要なところを、網が入っていないペアガラスに取換えてしまうようなミスも生じている。
     リフォーム工事は、工事金額が低いから、確認申請が不要であるから素人にもできるという種類の工事ではない。長く建物を使っていくためにも、的確に実施することが必要な工事がリフォーム工事であり、建築士の設計と工事監理が必要であるという意見が出された。
     実際に訴訟を行った弁護士からは、築40年以上の一人暮らしの高齢者宅に、6~7社の業者が4年間にわたって総額3000万円以上の不要・不相当・高額のリフォーム工事を行った事案や、同じく築40年以上の戸建住宅に、1500万円以上の悪質商法にてリフォーム工事を行い、かつ既存柱を除去する等の欠陥リフォーム工事も行った事案などが報告された。
  2 国民生活センターの相談統計によれば、住宅のリフォーム工事に関する消費者相談は、この数年間、年間5000件以上と報告されているが、リフォーム被害の第一は、いわゆる悪質リフォームであり、全く不要な工事を行って、法外な代金を請求する事案である。悪質リフォームのほとんどは訪問販売であり、点検商法、次々販売など巧妙な手口を使って行われている。
     リフォーム被害の第二は、破壊的リフォームである。リフォーム工事においては、資格ある建築士の設計と監理によらず、能力や技術の劣る者によって、構造安全性、耐火性、衛生など建物の基本的性能への配慮を全く欠いた工事が行われている。また、損害賠償請求をしようとしても、業者に支払能力がなかったり、連絡先不明となるなど、被害者の泣き寝入りとなることも少なくない。
     リフォーム工事の第三の問題は、業者による見積りに不透明なものが多く、不当に高額な代金を支払わされている場合が少なくないことである。
  3 悪質リフォームは、詐欺罪に該当する犯罪行為である。平成22年5月19日の東京新聞によれば、床下に水をまいて「配管から水漏れがある。」と騙して補修工事費用を騙し取っていたさいたま市のリフォーム業者が逮捕されたとの報道がなされているが、振り込み詐欺のように同種事件が多発する前に、警察や主務官庁における取り締まりを徹底する必要がある。
     リフォーム工事は、既存建物の構造安全性を損なわずに行なうとの制約があること、必ずしも十分な設計図面が存在しないこと、内部の状況は内外装をはがしてみなければ分からず、その状況に応じた計画を立てる設計能力が求められることなどの理由から、新築工事よりも難しい部分がある。それにもかかわらず、現行法制の下では、施工技術の程度、資格ある専門家の関与、行政上の監督について、何の法的規制もかからずに工事ができる場合を許容している。例えば、建設業法3条に基づく建設業の許可は、一定規模以下の軽微な建設工事のみを請け負う業者を許可対象から除外していたり、建築士法は、一定規模以下の木造建物については、資格ある建築士の設計・監理を不要としている(建築士法3条の3)。そして、ほとんどのリフォーム工事は、これら法的規制からはずれる小規模な工事であるため、適正なチェックを受けることなく工事が行われている。しかし、必ずしも易しくないリフォーム工事ほど、レベルの高い施工や建築専門家によるチェックが要求されるのである。破壊的リフォームを予防するためには、少なくとも建築専門家による設計及び監理及び行政によるチェック機能(確認または届出等)を徹底させる必要がある。
     また、欠陥住宅被害者の泣き寝入りを防止するための法律として、「特定住宅瑕疵担保責任の履行確保に関する法律」があるが、同法の適用は新築住宅に限られている。しかし、新築もリフォームも被害者の救済の必要性において差異はなく、同法律の適用範囲をリフォーム工事にまで拡張すべきである。供託または保険加入を強制することは、消費者の業者選択の判断材料となるばかりでなく、行政上の監督の根拠となり、悪質業者の排除にも結びつくものである。
  4 上記のとおり、建築専門家による監理や行政によるチェックは、新築よりもむしろ問題業者の参入しやすいリフォーム工事に対してこそ必要性が大きい。特に、住宅政策が、住宅の供給からストック重視の政策へ転換し、リフォーム工事に対する財政的補助がなされつつある今日、新築工事からあぶれた業者がリフォーム工事に流れていくことは十分予想しうるところであり、適切な施策を講じないまま放置するならば、ますますその被害は拡大することが予想される。我々は、リフォーム工事に対する法規制及び行政による監督の重要性を再認識し、悪質リフォーム、破壊的リフォーム根絶のための適切な施策をとるよう、上記のとおり要請するものである。


2010年5月30日

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