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勝訴判決・和解の報告[5]売主の建替え費用全額負担などで示談 田中 厚(大阪・弁護士)

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売主の建替え費用全額負担などで示談
平成15年8月19日示談
弁護士 田中 厚(大阪)
Ⅰ 事件の表示(通称事件名:都島区N邸事件)
和解日 平成15年8月19日
事件番号 なし
裁判官 なし
代理人 田中厚
Ⅱ 事案の概要
建物概要 所在 大阪市都島区
構造 鉄骨造3階建 規模 敷地58.26㎡、延床面積90.72㎡
備考
入手経緯 契約 平成11年5月14日 売買契約 引渡 平成11年8月24日
代金 3960万円
備考
相談(不具合現象) 強風で家が揺れる。平成13年に施工業者に補修をしてもらったが、まだ揺れている。
Ⅲ 主張と和解の結果
争点
(相手方の反論も)
瑕疵担保責任による解除ができるか。
相手方は、欠陥については概ね認めたものの、依頼者が施工業者にしかクレームを付けていなかったため、これまで、問題が発生していたことは知らなかった と延べ、契約書に定める「引き渡してから2年」の瑕疵担保機関を経過しているので解除はできないのではないか、と主張。
欠陥 ①構造上の安全性の欠陥
鉄骨柱、鉄骨大梁の断面が不足。2階大梁の一部が柱間に接合されていない。大梁の一部が設置されていない。確認申請書どおりの施工になっていない。
②耐火性能の血管(準防火地域)
1階柱の耐火被覆の未施工、外壁が準耐火構造に不適、屋根が不燃材料に不適、床、階段も同様。網入りガラスの未設置、防火ダンバー未設置。
③小屋裏の天井高さが2メートルあるため4階建として耐火建築物とする必要。
④外壁開口部の変更により採光面積、換気面積、排煙面積が減少。
損害 合計 補修2700/解除4500(補修2700)
代金 解除前提で(3960万円+その他の損害)の概算合計4500請求
補修費用 補修前提で(以下の項目も同じ) 2035/2035
転居費用 40/40
仮住費用 110/110
慰謝料
調査鑑定費 75/75
弁護士費用 240/240
その他 補修工事設計監理料 200/200
責任主体と法律構成 売主 瑕疵担保責任による解除
施工業者
建築士 (不法行為責任)
その他

Ⅳ コメント
1 和解結果分析
解除を前提とした請求は、相手方がそこまでの資力はない、ということで、獲得できなかったが、土地、建物を保持したまま、取り壊し建て替え費用全額(概 算)のほか、調査鑑定費用、弁護士費用相当額も交渉のみで短期間で獲得することができた(相談4月7日、予備調査報告書4月30日、内容証明発送7月10 日、示談成立8月19日、2700万円入金8月29日、入居後3年半解決しなかった事件が5か月足らずで全面勝利で解決)。

2 主張・立証上・和解交渉上の工夫
瑕疵担保責任期間の主張に対しては、売主の代表取締役が、本件建物の設計者、工事監理者として、建築確認申請書に記載されていたことから、仮に瑕疵担保 期間を過ぎているとしても、社長個人の不法行為責任は免れないとして、私の獲得した平成13年11月7日大阪高裁判決を示して説得したところ、あっさり責 任を認めた。施工業者に責任を転嫁しようともしていたが、買主に対しては全額の連帯責任である旨説得した。  その結果、解除請求に応じる資力はないが、補修に必要な費用は全額負担する旨の回答を得て示談し、スピード解決となった。

(欠陥住宅全国ネット機関紙「ふぉあ・すまいる」第11号〔2004年4月28日発行〕より)
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