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勝訴判決報告   (1) 建築途上の建築物撤去と土地の明渡しを命じる(福岡地裁小倉支部平成11年3月30日判決)

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山上 知裕(福岡・弁護士)
1 事案の概要
原告 (X) は東日本ハウス(株) (Y) との間で平成2年6月請負金額2781万円の約定で1階部分鉄骨造2・3階部分木造という混構造の自宅の新築工事請負契約を締結した。 床面積は1階54・85㎡、 2、 3階61・37㎡、 合計177・59㎡である。 ちなみに敷地は74・97㎡しかなかったため、 1階部分は殆どが駐車場という構造である。
工事は平成2年11月に着工され、 同年12月21日鉄骨工事が完了、 翌平成3年1月10日木造部分の工事に着工したところで、 1階から2階へと上る階段室内に鉄骨梁がはみ出して、 実効幅が65㎝しかない (判決によれば70㎝) ことが判明し、 Xの抗議によって2月8日工事が中断する。 そして階段幅不足を解消するためにY側のとった措置が、 階段室内にはみ出した鉄骨梁と全体で6本しかない鉄骨柱の1本を切断して、 隣接して新しい柱と梁を設置するというものだった。
この措置をめぐって紛争となり、 建物は建築途上のまま放置され翌年12月訴訟提起、 提訴から6年3月ぶりにようやく判決が下された。 なお私は、 交渉開始から4人目の代理人である。

2 判決の内容
・判決は、 まずXの請求通り建築途上の建築物の撤去と土地の明渡を命じているが、 その理由については判決文上は明らかでない。 Xは、 履行不能による遡求的解除を主張し、 被告は合意解除を主張していた。
・次に金銭請求については、 請求の減縮後のXの請求が949万2624円だったのに対して、 不法行為に基づく損害賠償請求として844万2624円を認容した。 これは慰謝料、 弁護士費用の一部を減額した外はほぼ請求通りの判決である。

3 判決の意義
建築途上の構築物撤去と土地の明渡を命じた判例は、 履行不能による遡及的解除を認めた東京高裁平成3年10月21日判決(判時1412-109)が存するが、 解体収去を命じた数少ない例といえる。
また金銭賠償については、 不法行為に基づき損害賠償を認容した事例として、 新たな1事例加えるといえるものといえよう。
なお判決は確定し、 係争構築物はYの費用負担により既に解体撤去されている。

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