本文へ


欠陥住宅被害全国連絡協議会第11回秋田大会の報告 鈴木 覚(宮城・弁護士)

トップ > 欠陥住宅に関する情報 > ふぉあ・すまいる > 欠陥住宅被害全国連絡協議会第11回秋田大会の報告 鈴木 覚(宮城・弁護士)

鈴木 覚(宮城・弁護士)

1 欠陥住宅被害全国連絡協議会の第11回秋田大会が平成13年5月26日 (土) と27日 (日) の2日間、 秋田市内のアキタパークホテルで開催されました。

2 5月26日当日は、 午後1時から午後1時30分まで、 「欠陥住宅東北ネット」 の設立総会が開催されました。 東北ネットの設立総会では、 最初に、 岩手県の被害者の方2名から、 自らの欠陥住宅被害の状況の報告と東北ネット立ち上げに寄せる期待することをお話いただきました。 それに引き続き、 東北ネットの活動方針と規約の説明を経て、 規約と役員選任について全会一致で承認されました。 最後に、 東北ネットの代表幹事に選任された建築士の宮田猪一郎氏から、 「各県ごとに相談窓口を至急作りたいと考えている。 東北各県のネットワークでお互いに支援しながら、 欠陥住宅被害の解決救済や予防を図っていきたい。」 との挨拶がありました。

3 午後1時30分から、 全国ネットの第11回秋田大会が開会し、 秋田県弁護士会会長の津谷裕貴弁護士から歓迎の挨拶の後、 吉岡和弘弁護士から基調報告、 岩城穣弁護士から事務局長報告がありました。
そして、 午後1時55分から、 「軟弱地盤と欠陥住宅」 と題して、 神戸大学の軽部大蔵名誉教授からご講演をいただきました。 軽部先生からは、 軟弱地盤による欠陥住宅の問題を土木の専門家のお立場から、 住宅と地盤の力学の問題、 地盤沈下の原理、 地盤調査の方法、 地盤沈下した住宅の補修方法などについて、 後半ではOHPを利用して分かりやすくご講演していただきました。
軽部先生に続いて、 一級建築士の藤島茂夫氏から、 「新告示の紹介と解説」 と題して、 建築基準法の新告示の内容について、 建築の素人である弁護士にも分かりやすくご講演していただいた。

4 この後、 京都の神崎哲弁護士から 「欠陥住宅訴訟における近時の動向」 として、 東京と大阪の建築専門部の設置の報告と、 最高裁が主導して進められている鑑定人名簿の問題点の報告がありました。
また、 大阪の澤田和也弁護士から、 欠陥住宅に関する最新の勝訴判決事例の報告がありました。 澤田弁護士からは、 本件については、 裁判上の鑑定は経ておらず、 原告側の私的鑑定のみであり、 また、 弁論準備手続に力を入れることが重要であり、 弁論準備において建築士に説明をさせ、 必要であれば建築士から書面を出させることで建築士に対する証人尋問はほとんど必要なくなるとのご指摘がありあました。 今後の訴訟活動において大いに参考となると思われます。
最後に、 大阪の重村達郎弁護士から、 「品確法のその後」 としてのご報告があり、 それに関連するアピール宣言案の提案がなされました。 アピール案については、 内容をさらに詰めることとなりました。
大会初日は以上で終わり、 懇親会、 2次会が行われ、 参加者の懇親が深められました。

5 大会2日目は、 午前9時から、 吉岡和弘弁護士から勝訴判決事例報告があった後、 名古屋の柘植直也弁護士から、 平成13年4月に行われた 「韓国住宅事情」 のご報告がありました。 韓国では、 住宅に関する相談は、 アパートが大部分であり、 内容的は、 アフターサービスや契約に関することが中心で、 構造的な欠陥が問題になったことはほとんどないとのことでした。

6 この後午前10時15分から、 第三セクター秋田県木造住宅及び秋住の訴訟事件について、 原告代理人である秋田の江野栄弁護士と原告の代表者の糸賀さんからご報告がありました。 糸賀さんからは、 県木住の具体的な欠陥部分をスライドを映しながらご説明頂き、 被害の深刻さが実感でき、 会場からはあまりにひどいという声も聞こえました。

7 続いて、 東京の伊藤学建築士から、 マンションの騒音問題について、 1億円のマンションについて音がまる聞こえであるという事例のビデオ上映があった後、 伊藤学先生から、 騒音被害についての検査方法や、 騒音の基準値等についてのご講演がありました。

8 最後に、 東京の河合敏男弁護士から、 「消費者のための家づくり約款」 の出版と反響についてのご報告と、 岩城事務局長から日弁連の土地住宅部会の活動状況についてのご報告がなされ、 次回開催地は11月24日と25日に横山 (予定) で開催されることが報告され、 第11回秋田大会は閉会致しました。

9 秋田大会で設立した欠陥住宅東北ネットについてですが、 7月11日の段階で、 メンバーは、 弁護士12名、 建築士36名、 一般が8名の合計33名が登録していただいております。 概ね東北各県から登録して頂いておりますが、 青森及び福島では建築士の、 岩手では弁護士の、 山形では双方の登録がない状況ですので、 最低各県に弁護士1名、 建築士1名を配置できるように努力したいと考えております。
秋田大会後の7月13日には青森市において東北ネットの第1回例会を開催しておりますが、 今後は、 定期的に東北の各県を回りながら例会を開催していく予定です。 また、 10月には、 東北での欠陥住宅110番を実施することが青森での例会で決定しており、 現在はその準備を進めている状況です。
東北ネットでは、 距離の関係があり各県のメンバーが頻繁に集まりわけにいかないので、 郵便や電子メールでの連絡を密にしながら、 半年に1度程度集まって活動を続けていきたいと考えております。

ふぉあ・すまいる
ふぉあ・すまいる新着
新着情報
2023.11.14
第54回岡山大会のご案内
2023.06.12
2023(令和5)年7月1日(土)欠陥住宅110番のご案内
2023.06.08
第53回名古屋大会配信用URLを通知しました
2023.05.17
第53回名古屋大会のご案内(2023.5.17)
2022.11.18
第52回東京大会のご案内(2022.11.18)