■~広島市消費生活センターの相談員の方々から~
岡本 みどり
建築のことは何も知らない、 分からない。 しかし、 日々の消費生活相談では、 欠陥住宅の苦情や。 問い合わせが増えている。 そんな時、 広島欠陥住宅研究会参加の誘いがあり、 建築のこと、 欠陥住宅問題を少しでも勉強したいと思い参加しました。 初めての全国大会では、 澤田弁護士の日本は欠陥住宅先進国であるという話を聞き、 この問題の重大さ、 困難さ、 深刻さを知りました。
中島 光子
5月29日の大会初日は、 仕事の都合で不参加。 夜の懇親会で、 「現行法でも欠陥住宅問題の解決に、 相当程度取り組める」 という堺市の取り組みについて聞く。 アピールの主役になった。 直に聞けなくて残念。 2日目の山上弁護士の裁判報告に感銘を受けた。 原告勝訴のこの裁判で、 被害者はやっと人を信じられるようになったという。 私も頑張らなくては。
まず、 参考書を読もう…!?
六百田 恵子
一般的に行政は市民からの要求があってもすぐには動こうとしない傾向がありますが、 5月29日の 「建築行政担当者に聞く」 堺市の石黒氏からの取り組みの様子が紹介され 「とても感動した、 公務員のあるべき姿だ」 との声を多く聞きました。
熱意や姿勢があればどこの自治体でもこれだけのことができるのか。 他都市では障害が多くありすぎて不可能なのか。 その辺を直に行政担当者から聞きたかった。
そのためには、 当大会の発表の内容についてもっと早期に資料を発表者から頂いた上で当研究会で検討を重ねて、 広島県及び市町村の行政担当者 (公私を問わず) にも参加を呼びかけるべきではなかったか、 と一人勝手に反省しております。
室井 孝子
第7回大会には、 仕事の都合で、 1日だけの参加となりましたが、 全国各地からの参加者の受付けを担当し、 欠陥住宅被害の根絶を目指して活動を続けておられる方々の熱意を、 ひしひしと感じとることができました。 また、 会場内での、 安全かつ快適な住まいのための活発な質疑応答、 討論を目の当たりにして、 消費生活相談窓口の担当者として、 今後も、 住宅に関する知識の習得に努めていかなければと痛感しました。
野木 真理代
風呂橋先生から 「欠陥住宅研究会設立準備会」 へのお誘いをいただいた時、 「相談業務の何かプラスになれば儲けもの」 といった軽いノリで参加してしまいました。 全国連絡協議会を5月に広島で開催すると聞き、 「そんな無茶な」 と思いつつながめていたら、 あれよあれよと言う間に他の会員の方々が、 力業で実行してしまいました、 というのが実感です。
(順不同)
■ 弁護士 藤本 美佐子
1、 私は今春、 司法修習を終え、 弁護士会に登録しました。 もともと大学での専攻が住居学で、 卒業後しばらくはゼネコンで働いていました。 会社では設計部でなく都市開発部に配属されていたため細かい技術的な実務を知っているわけではありません。 ただ、 大学で居住地計画論や、 住宅問題、 住宅設計等を学んだことが懐かしく思いだされます。 本会では古巣に帰った気分でいたところ、 思いがけなく大学時代ともに学んだ仲間というか私にとってはお兄さんお姉さんという方々に出会うことができました。 懐かしい方々が建築・住宅の分野で精力的に仕事をなさっていることを知り、 広島欠陥住宅被害全国連絡協議会への参加は公私ともに有意義なものとなりました。
2、 大会の内容ついての感想としては、 まず堺市の違法建築に対する取り組みに目を見張りました。 これほど住民の立場に立って考えている行政が存在することに感動しました。 いかにして自治体がここまでこれたかを他の自治体の参考のためにも何かの形で残して欲しいと思いました。
次に、 住宅品質確保の促進等に関する法律案の検討は有意義でした。 私自身同法律について気になっており法律の概要、 問題点等を条文にそって話していただき、 また質疑応答も充実していて、 とても参考になりました。 ただ、 地域性がどの程度考慮されるのか、 気候、 地盤等は地域によって相当違うわけですから、 住宅の性能評価が全国統一の基準で本当に可能なのかの疑問は解けないままでした。
更に平野氏による建築士の鑑定書の作り方について、 また山上弁護士の判決速報報告を聞き、 欠陥住宅問題に関する新しい視点、 新しく生じている問題、 さらに裁判所に理解してもらうためのプレゼンテーションの工夫が大切であること等を感じました。
3、 私にとってはとても刺激的でかつ楽しい大会でした。 佐賀でいきなり独立したこともあって、 いろんなことが大波のように押し寄せてきています。 分からないことだらけの中で悪戦苦闘しています。 建築・住宅の分野も自分の興味ある1分野として多くの仲間とともに一緒に勉強していけれいいなと思っています。
■ 三宅 英之(一般参加)
私は6年前住宅を購入しましたが、 色々不具合が生じてきて、 時々修理をお願いしていました。 ところが、 同じ所を修理したり、 地盤が沈んで家屋をジャッキアップしたりと、 不審な点が出てきたのです。 もしかしたら自分の家はどこかおかしいのではないかと思い始めました。 このような 「家」 に対して疑問や不安を抱えたまま、 ずっとローンを払い続けなければならないのかと思うと納得がいきませんでしたので、 消費者センターに行きました。 そこで、 建築家協会の事も教えて頂き、 そこにも行ってみましたし、 今度欠陥住宅全国ネットが広島であるよと教えていただきました。 そして、 一応弁護士に相談してみたらとアドバイスもあり、 私の友人に弁護士がおりましたので話をした所、 一度この大会に参加してみたらということでした。 自分の家が欠陥かどうか、 実際の欠陥住宅とはどのようなものか、 そしてどのようにして解決してゆくのかを確かめる事ができるかもしれないと思い参加しました。 自分が知らないだけで欠陥事例がたくさん有る事に驚きを感じ、 この問題の解決に真剣に取り組んでいる方々がこんなにたくさんいらっしゃる事を知る事ができて大変心強く思いました。 また、 堺市の取り組みに関して、 行政に対して私が抱いていた事なかれ主義のイメージとは全く違う、 本当に市民の事を考えている人がいて実際に行動している事に感動しました。 この会に参加する事ができた事はとても嬉しく、 感謝しております。 今まで、 私たち消費者・ユーザーは生産・販売側の言いなりのまま、 私たちが知らない事をいいことにうまく言いふくめられていたのではないでしょうか。 事実関係を明らかにし、 真実を世間に公表する事により、 泣き寝入りさせられていた人たちが救われたり、 或いはこれから家を買おう、 建てようとしている人達が被害に遭わないようにする為にも、 この会が拡大発展し、 広く世間に認知されるよう私も力になりたいと思いました。
■ 建築士 赤部 輝彦 ((株)VANS岡山事務所)
私は、 現在岡山市内で建築設計監理の仕事をしています。 1966年3月に岡山で実施された 「欠陥住宅被害110番」 に建築士側相談者として参加した事を契機に、 欠陥住宅被害に対処するため、 弁護士さんのグループと共に、 「岡山建築問題研究会」 と称した会にて活動しています。
「欠陥住宅被害全国連絡協議会」 の大会には、 今回始めて参加させていただきました。 私自身、 実際に欠陥住宅の調査報告書や鑑定書づくりの業務をしていくなかで、 疑問点や課題が見えてきた時期でもあり、 全国のノウハウを吸収したいと大いに期待しての参加でした。
第1日目は少し遅れて参加したのですが、 木造3階建ての欠陥を摘発している堺市の現実には少々驚きでした。 次の 「住宅品質確保の促進等に関する法律案」 の検討についてですが、 これに関して私自身よく認識していなかったのものの、 現在より消費者保護の方向に向かっていると思われるので、 欠陥建築を掴まされる可能性は少なくなると感じました。 ただ、 住宅の供給者側として、 資本力のあるプレハブメーカーなどに有利な法律になっていると思われ、 我々のような小設計事務所は心して対処していかなければと感じました。
私にとって、 最も収穫だったのは、 第2日目の 「建築士の鑑定書 (調査報告書) の作り方」 の報告で、 手を抜きながら押さえる所は押さえるといったやり方で、 争点の整理をすることが大切な事を再認識させてくれました。 とかく、 これまで、 やたら被害状況を克明に記録するのみで、 原因の解明や施工基準に対する違反の考察が無く、 主張の視点がずれている内容の調査報告書が少なからずあったように思います。 余計な事を指摘してもかえってマイナスになる場合もあることが解りました。
得ることの多かったこの大会に参加して、 今後の大会には出来るだけ参加させていただこうと思いました。