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欠陥住宅被害110番結果報告 岩城 穣(大阪・弁護士)

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弁護士 岩城 穣(大阪)

1 全国ネットとしての初の110番活動
2002年3月22日・23日の両日 (一部地域はその前後)、 全国ネットとして初めて 「欠陥住宅110番」 の電話相談を行った。
欠陥住宅110番は、 1996年~2000年の5年間、 日弁連が主催して行ってきたが、 今回は弁護士と建築士・市民のネットワークである全国ネットとして初めての取り組みであった。 全国各地に地域ネットが生まれ、 また地域ネット未結成の地域でも県単位の窓口が整備されてきた中で、 ようやく実現の運びとなったものである。
対象地域は、 全国36都道府県 (今回対象とならなかったのは北陸、 四国の一部、 沖縄など) で、 協力いただいた方々は弁護士延べ88名、 建築士84名、 その他2名の合計174名に達した。
相談件数は全国ネット事務局に集計されたもので 275件であった。

2 相談の内容の分析と特徴
(1) 相談件数275件のうち、 戸建て住宅が74%、 分譲マンションが17%で9割以上を占め、 階数は2階建てが54%、 3階建以上が24%で約8割を占める。
(2) 工法は、 在来木造建築が44%、 鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造が20%を占めるが、 ツーバイフォー (9%)、 プレハブ・パネル工法 (5%) も見逃せない。
(3) 住宅性能評価については、 設計評価、 建設評価を受けた住宅がそれぞれ4件、 10件もあった。
(4) 訴える不具合としては、 壁の亀裂44件、 雨漏り43件、 床・壁の傾斜40件、 建付け不良45件の4つがほぼ横並びで、 続いて結露・カビ20件、 床鳴り17件、 揺れ・振動15件、 上下水不良15件の4つが第2グループをなしている。
また、 主としてマンションと思われるが、 「階上・屋外からの騒音」 が12件あった。
(5) 明らかになっている欠陥原因としては、 軟弱地盤・基礎構造の問題が37件と多く、 重要な構造部分の緊結方法の問題が9件など、 構造や安全性に関わるものが多い。 また、 「その他・無回答」 が122件あり、 相談者の多くはこれらの欠陥原因を知らないと思われる。
(6) 事後フォローについては、 相談のみが135件と約半数を占めるが、 継続相談や建築士の紹介など事後フォローするものも約3分の1あった。

3 総括
(1) 欠陥住宅被害の現状の把握と個別的救済を目的とした全国ネットとしての初めての110番としては成功したといえる。 今後、 事後フォローの結果についても集約していきたい。
(2) 当日の相談件数については、 マスコミ報道、 特にテレビ報道の影響が極めて大きかったようである (北海道、 広島、 宮崎など)。 今後、 マスコミ対策を重視する必要がある。
(3) 相談体制としては、 ほとんどのところで弁護士と建築士が連携して相談が行われた。 電話と並行して直接面談も行ったり、 後日個別相談会をセットしたところもあった。
(4) 全国ネット事務局としては、 今後も、 対象地域、 協力者を増やしつつ、 年1回程度行っていきたいと考えている。
全国の会員の皆さま方のご協力を、 よろしくお願い申し上げます。
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