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秋田県木住訴訟事件報告 江野栄(秋田・弁護士)

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江野 栄(秋田・弁護士)

秋田県、 銀行及び秋田県木材産業協同組合連合会などが出資して設立した第三セクターである秋田県木造住宅株式会社 (以下 「県木住」 という) 及びその子会社の株式会社秋住により、 千葉県山武町で多数の手抜き欠陥住宅が建築され販売された。 その後、 第三セクターは、 放漫経営により多額の負債を抱え、 1998年2月に東京地裁で破産宣告を受け、 倒産した。 これらの手抜き欠陥住宅の被害の実態は、 広く報道され、 市民に衝撃を与えた。
このように第一に責任を負うべき第三セクターが倒産してしまったため、 住宅を購入した被害者らは、 第三セクター自体に対し実効的な救済を求められない事態となっている。
ところで、 第三セクターの出資者である秋田県や銀行らは、 県木住の設立当初から、 副知事や頭取をはじめとする幹部職員を取締役、 監査役及び出向社員として派遣し、 県木住の取締役会には取締役でも何でもない県職員が常に出席し、 さらには、 1991年の経営危機時には70億円もの巨額の融資を行うなど、 経営に深く関与していた。 また、 秋田県は、 販売用パンフレットに県知事の写真入り挨拶文を掲載したり、 チラシや新聞広告には、 「秋田県直営」、 「官民一体の責任施工」 などの文言を載せるなどしたりして、 あたかも秋田県が営業主体であるかのように見せた県木住の宣伝を容認していたので、 消費者らは、 秋田県の信用を決め手にして、 県木住から住宅を購入したという実態がある。
そこで、 1990年から93年にかけて県木住から住宅を購入した被害者ら17世帯は、 98年8月7日、 第三セクターの経営を実質的に支配していた秋田県、 銀行、 取締役及び監査役らを被告として、 建替費用など総額約7億円の損害賠償請求訴訟を秋田地方裁判所に提訴した。 被害者らは、 第三セクターの背後で実質的に経営を支配していた秋田県など被告らの責任を追及する理論構成として、 (1) 共同不法行為 (民法709条、 719条)、 (2) 名板貸責任 (商法23条の適用または類推適用)、 (3) 法人格否認の法理、 (4) 取締役・監査役らの第三者責任 (商法266条の3、 286条) を主張している。
現在、 秋田地方裁判所では、 鑑定手続と並行して、 原告本人尋問を行っている段階である。                                以上

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