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第14回鹿児島大会アピール 「欠陥住宅被害の完全回復を求める」

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欠陥住宅被害全国連絡協議会 第14回鹿児島大会アピール
欠陥住宅被害の完全回復を求める

当協議会は、 阪神淡路大震災を契機に欠陥住宅被害の根絶を願う弁護士・建築士・研究者・被害者・市民によって1996年12月に結成され、 以来、 全国各地で大会を開催し、 今回の鹿児島大会は第14回となります。
私達は、 全国大会において建築基準法改正問題や住宅品質確保促進法、 鑑定制度のあり方等を議論・研究するとともに、 他方で、 具体的な欠陥住宅被害者のため、 訴訟提起を始めとする法的救済に努めてきました。 それらの活動を通して、 欠陥住宅が、 建物という極めて高価な財産についての被害であることはもちろんのこと、 それだけにとどまらず生命・身体・健康に対し危険を及ぼし、 不安に満ちた居住を余儀なくし、 更には家庭や人生までも破壊することを痛感してきました。 生活の根本的基盤である住宅に欠陥があった場合、 その被害は、 物心両面に広汎にもたらされ、 且つ、 欠陥が除去されるまで継続・拡大してゆくのです。
にもかかわらず、 欠陥住宅訴訟における従前の判決は、 往々にして、 このような被害の実態に対する理解に乏しく、 例えば、 補修不可能な欠陥建物に関する解体建替費用の賠償請求に対し 「建物請負契約の解除を否定した民法の趣旨に反する」 として否定したり、 慰謝料請求に対して 「財産的損害が回復されれば精神的苦痛も慰謝される」 として否定したりなど、 一般常識に反する形式的・硬直的な裁判例も見受けられ、 認容される損害賠償額は被害の回復にとって極めて不十分な内容にとどまってきたと言わねばなりません。
そのような中、 2002年9月24日最高裁判所において、 「建築請負の仕事の目的物である建物に重大な瑕疵があるために建て替えざるを得ない場合には、 注文者は、 請負人に対し、 建物の建て替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる」 という判断が明確に示されたことは、 被害回復に必要な費用を賠償額として認めるものであり、 非常に意義深いものです。
このような方向性を更に推し進め、 欠陥住宅被害者を真の意味で救済するためには、 全ての損害を填補し、 欠陥による被害を完全に回復する必要があります。
当協議会は、 以上のような見地に立って、 下記のとおり意見を表明するものです。

1 欠陥の存在と相当因果関係が認められる損害については、 財産的損害のみならず精神的損害も含め、 拡大損害に及ぶまで、 全て賠償請求権を認めるべきこと。
2 欠陥除去のための費用は、 解体建替費用の場合も含め、 全額賠償の対象とすべきこと。
すなわち、 請負契約・売買契約のいずれであっても、 契約において期待される性状(少なくとも建築基準法令の定める最低限の性状を有すべきことは契約上当然の前提であり、 これを上回る性状が合意されていた場合にはその性状も含む)を欠如すれば欠陥(瑕疵)に該り、 これを除去して期待される性状を回復するために要する費用は全額賠償されるべきであること。
3 欠陥住宅被害の本質が継続的な居住権の重大な侵害であり、 これによる被害は欠陥除去費用等の財産的損害の賠償によっても回復されないことに鑑み、 適正且つ十分な金額の慰謝料請求権を認めるべきこと。
4 欠陥住宅被害が 「専門家対消費者」 という構造の中で専門的技能・知識を有すべき住宅供給者側(施工業者、 設計監理建築士等)の悪質な手抜きや重大な過失によって発生するという構造、 また、 欠陥住宅に居住することを余儀なくされることは継続的な不利益であり居住権の侵害であるという実態を直視して、 損益相殺や過失相殺といった賠償額減額の手法を安易に用いるべきでないこと。

2002年11月24日 欠陥住宅被害全国連絡協議会 (欠陥住宅全国ネット)
第14回鹿児島大会参加者一同

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