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韓国消費者連盟 鄭光謨会長の講演「韓国の欠陥住宅事情と消費者被害救済の手法」を聴いて 千葉晃平(宮城・弁護士)

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千葉 晃平(宮城・弁護士)

赤いジャケットに颯爽とした立ち振る舞い。 流暢な日本語での優しい語り口。 韓国消費者連盟鄭光謨会長の第一印象でした。
そして、 激務のなか時間を割いていただきお話し頂いた御講演 『韓国の欠陥住宅事情と消費者被害救済の手法』 は、 微力ながらも欠陥住宅被害者救済に取り組もうしている私にとって極めて示唆に富むものでした。

まず、 「韓国では、 住宅問題で訴訟になることはほとんどない。」 との言葉。 何故だろうか。 それは、 行政段階での指導が強く訴訟に至るまえに解決することが多いからとのことでした。 日本の行政が業者に有利な時だけ強い指導を行い、 被害者救済の場面では全く無力なこと、 建築基準法自体行政に住宅の最低限の安全性を担保する権能を与えていながら全く形骸化していること等を思い複雑な気持ちになる一方、 行政の偏派的態度や怠慢を追及していく必要を感じました。
また、 韓国では何故欠陥が生じにくいのかについては、 「韓国でも盧泰愚の住宅政策で多くの欠陥がでたし、 アパートについての瑕疵はあった。 しかしながら、 消費者団体で欠陥をだした業者リストを作り、 また、 推薦できる業者を教えることによって、 欠陥は生じにくくなった。」 とのこと。 日弁連でも相談件数の統計等企業名を実名で報告したことがありましたが、 反対意見等あり実名報告はなくなりました。 しかし、 現実に欠陥住宅を作り出した企業は明らかにされてしかるべきであろう。 韓国での実例がその有用性を示している。 もっとも、 推薦できる業者を教えることには、 少し驚かされました。
さらに、 「モデルハウスを写真に撮り、 少しでも違えば賠償。」 との言葉には、 モデルハウスやパンフレット記載事項は契約の内容ではない等と開き直る業者を思い出させられ、 「瑕疵の保証金を積み立ててある。 何故日本にないのですか。」 「施工段階での光熱費を請求されたら詐欺ですよ。」 との言葉には、 それが常識的だなと思わされ、 「台所棚崩れがあり、 怪我・破損等あれば施工者へ行政罰がある。」 「消費者が我慢するな。」 との言葉には、 そうだと頷かされました。
このように、 鄭光謨会長の一言一言に示唆・刺激を受け聞き入っているうちに、 あっという間に予定時間が終了してしまいました。
最後に 「韓国でも全国研のような組織作りたい。」 とおっしゃられていましたので、 いずれ日韓で交流会が開かれることを楽しみにしつつ、 その時には、 現在の欠陥住宅被害が過去の遺物として報告できることを切に願っています。

所在ない文章になってしまい鄭光謨会長の講演内容を正しくお伝えできているか甚だ不安ですが、 感想を述べさせていただきました。             以 上

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